突然ですが、
私(男の方です)の体系はやせ型です。
身長から計算される適正体重からは15kgほど痩せています。
食べて飲んでいますが、高校3年生の時に現在の身長になって以来、ほとんど体重は変わっていません。太るのは20代後半からだよ、30代になってからだよ、とよく言われますが、今のところ変化は特に見受けられません。でも、これから一気にくるのかもしれませんね。
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そんな私ですが、1回だけ、現在の体重から10kgほど太った時があります。
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それは新社会人になった22歳の時です。
18歳から東京に出て、そのまま新社会人として東京で就職。
学生から社会人になり、お金を払う立場から、もらう立場になり、社会の厳しさを学びつつ新社会人生活を送る中で、生活も以前とはガラリと変わりました。
良い意味でも悪い意味でもストレスを感じる毎日。また、食事をとる時間も以前とは変わり、ふと鏡を見たときに、『あれ?顔が丸くなっている!?』そして、体重計に乗る機会があった時に、『こんなに体重増えていたんだ!』と思った記憶があります。
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色々悩むこともありながら日々生活を送っていた中、実家より仕送りが届きました。野菜などが入った段ボールに入っていたのが、1枚のコピーと1枚の手紙でした。
1枚のコピーがこちら。
(1枚の手紙はまた別のブログで書かせて頂きます。)
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サントリーの新社会人新聞広告のコピーでした。
画鋲の跡やテープの跡がなんだか懐かしいです。
作家の伊集院静さんが書かれた内容で、おそらく私の現状をなんらか察知し、また、新社会人として知っておいて欲しい仕事観を父親がコピーして仕送りと一緒に送ってくれたものです。
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写真だと読みづらいので、以下に書きます。
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『その仕事はともに生きるためにあるか。』
新社会人おめでとう。
君は今春、どんな仕事に就いただろうか。どんな仕事、職場であれ、そこが君の出発点だ。
今、世界は経験したことのない不況にある。金を儲けるだけが、自分だけが富を得ようとする仕事が愚かなことだと知っていたはずなのに、暴走した。なぜ止められなかったのか。それは仕事の真の価値を見失っていたからだ。人を騙す。弱い立場の人を見捨てる。自分だけよければいい。それらは人間の生き方ではないと同時に仕事をなす上でもあってはならないことだ。仕事は人が生きる証だ、と私は考える。働くことは生きることであり、働く中には喜び、哀しみ、生きている実感がたしかにある。
だから出発の今、真の仕事、生き方とは何かを問おう。
その仕事は卑しくないか。
その仕事は利己のみにならないか。
その仕事はより多くの人をゆたかにできるか。
その仕事はともに生きるためにあるか。
今何より大切なのはともに生きるスピリットではなかろうか。一人でできることには限界がある。誰かとともになら困難なものに立ちむかい克服できるはずだ。会社とは、職場とはともに働き、生きる家である。仕事は長く厳しいが、いつか誇りと品格を得る時が必ずくる。笑ってうなずく時のために、新社会人の今夜はともに祝おう。その日のために、皆で、ハイボールで乾杯。
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どうして体重の話から始まり、12年前のコピーの話をしているかといいますと、お気づきかもしれませんが、文中の、『今、世界は経験したことのない不況にある。』という言葉がまさに今と同じ状況に感じたためです。
あの時と自分自身の状況は違いますが、改めて真の仕事、生き方とは何かを考えるキッカケになりました。
私たちの<Inswirl>(インスワール)というブランドは、地球環境や人に配慮したライフスタイルブランドです。触れる人、着る人、使う人に上質で洗練されたライフスタイルを提案します。
その仕事は卑しくないか。
その仕事は利己のみにならないか。
その仕事はより多くの人をゆたかにできるか。
その仕事はともに生きるためにあるか。
そして、お客様に必要とされているか。
是非、私たちの洋服に袖を通して、革を手にして、私たちの世界観を感じていただければ嬉しい限りです。
ブランド名の Inswirl とは、前置詞 in (中) + swirl (渦) の造語で、私たちの理念やクリエイションの渦の中に多くの方を巻き込んでいきたいという意味を込めています。
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秋冬のラインナップも充実しています。本当にすべての商品がオススメです。是非お楽しみにしていて下さい。アパレル製品は晩夏から入荷、レザーアイテムは店頭にサンプルを置いています。すべてご予約が可能ですので、是非店頭にも足をお運びください。
今後とも Inswirl をよろしくお願い申し上げます。
今夜は、ハイボールで乾杯!!
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